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RIZIN香川大会の裏メインと呼ばれた横山武司戦で衝撃KO勝利を飾った木村柊也インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)


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――
練習は今日(4月8日)から再開されたんですね。

木村 そうですね。試合のダメージはなかったんですけど、減量だったり身体に疲労が溜まっていたので抜かないと、ということで。

――
木村選手はキャリア5試合すべて1分ちょっとで終わらせてるじゃないですか。ずっと準備してきた身としては、やや物足りないところもあったりするんですか?

木村 いやあ、自分は1秒でも早くリングを下りたいです(笑)。もう手っ取り早く終わらせたい。何か試合で試したかったと思ったことはないですね。だから打撃が当たると思ったら、もう「行っちゃえ!」みたいな。

――
やっぱり余計なリスクを背負いたくないですよね(笑)。

木村
 もちろん試合に向けていろいろと準備はするんですけど、それを試すというよりは感覚で動いて倒すという感じです。相手のクセはわかったうえでやってますけど、その中で自分の動きを出せないと勝てないんで。

――
今回の横山武司戦も凄まじいフィニッシュというか、とんでもない打撃音が……。

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木村
 最後のフィニッシュも感覚では当てに行きましたけど、ずっと練習していました。自分の得意なかたちでもあるんで、そこにどう持ちこんで、どう出していくか、と。

――
あの瞬間は手応えがありました?

木村
 ありましたね。まあ毎回手応えはありますけど、毎回違った手応え。結局、相手は倒れてるんですけど、タイミングや当たりどころは毎回違うんですよね。とくに、今回はそこまで振り抜いたパンチではなく、ポイントでガンと当てる感じだったんで、振り切って倒したときの感触とはまた違いましたね。

――
それでもあんなふうに倒せてしまう。

木村
 それはもう距離感やタイミングがすべて合ってたんで。でも、横山選手は組まれたら危ない選手だったので、何も考えずに突っ込んでいくとたぶん寝技の餌食になる。そこはいろいろ考えながらやってました。

――
横山選手も当然、組みを狙ってきましたけど、怖さは感じましたか?

木村
 いや、危ないとは思った瞬間はなかったし、予定どおりでした。グローブタッチしてからすぐに飛んでくるということ、そのあとも普通のタックルを混ぜながら狙ってくることはすべて予想してたんで。あとは自分の距離を大事に保って動けば、当たるだろうと。試合時間も1分以内ではあったんですけど、自分としてはけっこう長かったですね。

――もう内容が詰まっていたわけですね。

木村
 そうですね。いろいろフェイントをかけたりして、頭を使って戦っていたから、1分でも凄く長く感じます。あの一発を当てるために、じつはいろいろやってるんで。

――
まったくわかりませんでした!(笑)。

木村
 いや、たぶん見る側だとわかんないと思いますね。実際にボクも横山選手の圧をかなり感じていたし、そこはリングの中にいるふたりにしかわからない駆け引きもあるというか。ボクもどう言葉で伝えていいかわからないです。そこを詳しく言える人はいないんじゃないですか? 独特の間合いとか、何もしてないのにフェイントにかかったりするので。

――
何もしてないのにフェイント!心理戦ですね……。

木村
 目線だけでもフェイントになるので、それはもうカメラから見ただけでは絶対わからないと思います。そのフェイントも感覚だったりするし、その駆け引き自体も自然にやってるので。

――
格闘技って相手に主導権を取られると簡単には取り戻せない……と言われますけども、その駆け引きという流れの中で戦ってるからこそなんですね。

木村
 ああ、そこはあります。

――
でも、その感覚も日々の練習で身体に染み込んでるというわけですか。

木村
 試合が決まってからずっとそのことしか考えてなかったです。それに初めて戦うタイプだったんで。いままでは自分が強引に前に出てもし組まれても、対処できるという自信があったんですけど。今回ばっかりは強引に行くと狙われる。「そこだけは絶対に注意しよう」と自分に言い聞かせてましたね。本当に冷静に冷静に距離を保って……みたいな。

――
寝技に特化してるタイプだからこそ、よけい慎重に。

木村
 レスラーのテイクダウンじゃなくて、自分から引き込んでくるタイプはなかなかいないんで。

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――
木村選手が所属するBRAVEでもそういう選手はいないわけですね。

木村
 基本的にはレスラーが多いし、みんな突っ込んでくるタイプですよね。いまのMMAだと引き込みはパウンドを打たれるリスクもあるから誰もしないじゃないですか。引き込んでからの極めの力はどの選手も勝てないんじゃないか、というものを持っているので。そこは本当に注意してましたね。

――
今成(正和)選手なんかもそうですけど、特化型のやりづらさはありますよね。

木村
 まあ、やりたいとは思わないですよねえ(苦笑)。

――
そんな横山戦のオファーがあったときはどう思ったんですか?

木村
 まさか完全なグラップラーで日本のトップ選手といきなりやるとは思ってなかったんですね。試合まで期間があったのでやれることはやろうという感じでした。

――
あんまり断る理由もなかったというか。

木村
 もう即答でした。RIZINデビュー戦だし、もう相手が誰であろうとKOするしかないんですけど。じつは、もうひとり候補の選手がいたんですけど、「たぶん横山選手になると思うけど、選べるならどっちがいい?」みたいな感じだったんで。

――
その選手は誰だったんですか?

木村
 ◯◯選手ですね。

――
あー、そのカードも絶妙! 宮田(和幸)先生から選択のアドバイスはありました?

木村
 まあ、宮田先生も「正直どっちも変わんないよ」みたいな感じだったんで。ただ、「横山選手は寝技は本当に強いからそこだけ気をつけないと」とは言われましたね。

――
たしか実力は遜色ないですけど、横山選手には一発がありますよね。

木村 ボクは総合はよくわかんないんで「どっちでもいいです」と。

――
木村選手は総合格闘技はあんまり詳しくないんですか?

木村
 わからないです(キッパリ)。

――
えー! ……UFCはわかりますよね?(笑)。

木村
 もちろんわかります(笑)。でも、本当に有名選手しか知らないですね。自分の試合や対戦相手の試合は見るんですけど、いまは他の選手の試合を見る段階にまだいないと思っているんで。

――「段階」ですか?

木村
 ボクはまだ総合の初期段階にいると思っているんで、強い選手の動画を見て吸収する前に、まずは基礎を学ばないと何もできないじゃないですか。だから、余計な情報を入れたらぐちゃぐちゃになるかなって。自分の目で見て体験した練習には学びはあるんですけど、動画を見ての勉強はまだないですね。

――
いまってSNSの時代で情報があふれてますけど、そこは取り残される感覚ないですか?

木村
 ないです。試合動画を見て「これ、いいな」みたいに感じることもないですし。

――そこは将来を見据えて取り組んでいるんですね。木村選手といえばバックボーンが日本拳法。日本拳法の幻想がまさか令和によみがえると思わなかったんですけど……いまは日本拳法自体をよくわかってない人も多いですよね。

木村 9割くらいは知らないんじゃないですか?(笑)。


・最もMMAに近い武道、日本拳法
・なぜ日本拳法は一撃必殺なのか
・ノア拳王も日本拳法ですごかった
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・日本拳法の距離感に相手は慣れない……1万字インタビューはまだまだ続く

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