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・恐るべし朝倉未来の求心力!「RIZIN男祭り」振り返り21,000字■笹原圭一
――笹原さんといえば読書家として知られていますけど、最近話題の本は読まれました?
――出版不況が叫ばれて久しいですが、その『ゴング格闘技』がバカ売れらしいです!
笹原 もう『ゴン格』はキルギスの本屋にも出荷したほうがいいですよ!(笑)。
――シェイドゥラエフ特集も読み応えがありますが、話題になったのはジャパントップチーム(JTT)のコーチだったビリーの記事ですね。ビリーがJTTの内情を明かしたことで“暴露記事”扱いされてか炎上気味になんですけど、笹原さんはどう読みました?
笹原 たしかにビリーはJTTの内部の話をしてるんですけど、暴露的ではなくむしろ丁寧に語っている印象がありましたね。だから今回の騒ぎってディスコミュニケーションの話だとは思うんですよ。日本人同士でもよくあることというか。
――既視感があるなって考えたら、ボクと奥さんは毎日あんな感じですよ! ボクが西谷大成で、奥さんはビリーです。
笹原 ハハハハハハ。むしろあの記事があそこまで炎上したことにビックリしましたね。
――それは『ゴン格』を読んでないから、あれこれ想像して語られたことの反響もありますよね。ウェブの記事やYouTubeの動画ではなく即チェックできないので、断片的な情報だけで「どうやらビリーが暴露したぞ!」と。
笹原 伝言ゲームで「悪口を言ってるぞ!」と。でも全然そんな内容じゃないですけどね。
――あとはやっぱりJTTのネタは発火性が高いですよね。ちょっと悪く言われたりすると、他の選手の10倍は燃えるという(笑)。
笹原 それだけ朝倉未来やJTTの存在感が大きいんだと思いますけどね。
――朝倉海選手が会員制のサロンで語っていたのは、すれ違いがあったけど、ディカッションはやってきたと。あとヒロヤ選手のYouTubeにビリー本人が出てきて、伝えたいことはそういうことじゃないと。
笹原 そのYouTubeは見てないですけど、ビリー自身も「え?こんな騒ぎになっちゃうの?」という感じだったと思います。
――「誤訳だ」「捏造だ」と叩かれかねない雰囲気だったから、それはそれで『ゴン格』がかわいそうな感じがするんですけども(笑)。
――しれっと事実無根の悪口を挟むの、やめてください!
笹原 でも実際にビリーが取材でどういうニュアンスやテンションで語ったのかは、ボクらはわかんないですからね。
――笹原さんも外国人ファイターや関係者との付き合いが長いじゃないですか。言語が違うことでのトラブルは多かったんですか?
笹原 海外の人とは言葉以外にも生活習慣や文化の違いが当然ありますから。そのギャップとどう向き合うかっていう話だと思いますけどね。ビリーもエリーもコーチとして武道の国・日本にやってきて、自分なりに思い描いてるプランもあったでしょうし、なんなら青雲の志を抱いていたと思いますし。
――海選手もいろいろと話し合いを重ねてきたってことなので、お互いの言い分はわかってる。それが表に出たらスキャンダラスに取り上げられてしまったわけですね。
笹原 どんな優秀なコーチでも万能じゃないですから、結果を含めてフィットしないことは普通にありますよね。他のスポーツでも海外から日本にコーチがやってきたけど、うまくいかずに帰国するケースもあるし。
――野球もサッカーも外国人監督は有能だけど、コミュニケーションで選手とトラブルになることはよくありますよね。
笹原 そういう意味ではあいだに入る通訳さんの働きは大きいと思いますけどね。
笹原 大谷翔平の通訳だった水原一平さんとか。
――その方は違った意味で最悪のケースですよ(笑)。
笹原 日本代表監督だったトルシエの通訳だったダバディさんとか。
――トルシエといえば、PRIDEを譲渡したあとの榊原さんはサッカーに進出してFC琉球のオーナーになりましたけど、最初の仕掛けはトルシエ招聘。やってることは格闘技のプロデュースと変わらないんですけど(笑)。
笹原 そのときの通訳はダバディではなかったんですけど、社長とトルシエは直接思いのたけをぶつけ合ってましたからね。沖縄の国際通りで掴みかからんばかりの勢いで怒鳴りあったと聞いています(笑)。
笹原 でも全力で向き合ったから、いまだに社長とトルシエの仲はいいんですよ。社長がFC琉球でやりたいことと、トルシエがFC琉球でやりたいことの違いがあったときに、しっかりぶつかり合ったからこそ信頼関係が生まれたんだと思います。海選手とビリーはどこまで腹の内をさらしてぶつかりあったのかはわかりませんけど、当然ビリーは朝倉兄弟には気を使っていたでしょうし。
――朝倉海も自分が招聘したことでかなり気を使ってましたね。六本木のアマンドの前でつかみ合いをするべきだったかもしれない(笑)。
笹原 この問題は格闘技だけじゃないんですよね。日本の人口が減っていく中で海外から外国人が入ってくるじゃないですか。それこそクルド人の問題も騒がれてますけど、文化の違う人たちと接したときに「出ていけ!」と排他的になるのか、それともお互い歩み寄って受け入れるのか。簡単に答えが出る話じゃないですよね。
――『ゴン格』の話から文化的な話に飛びました。
笹原 Dropkickには似つかわしくないアカデミックな話になりましたね(笑)。
――韓国大会でも言語や文化のズレがあったんですか?
笹原 いや、ものすごくスムーズにできましたね。アゼルバイジャン大会のときと比べたら……ってアゼルバイジャンのことは思い出したくないですね(遠い目)。
――いったい何があったんですか!(笑)。日本と韓国は格闘技でも昔から結びつきが強いんですけど、笹原さんとしては初の韓国大会になりましたね。
笹原 かつては旧K-1さんやHERO'Sが韓国大会をやってましたけど、PRIDEやDREAMではやってなかったですね。今回は韓国のカジノホテル側から「RIZINをやりませんか?」という売り込みがあったんですよね。会場となったパラダイスシティはカジノ&エンターテイメントの統合リゾートですけど、RIZINが観光客の呼び水になると。
笹原 そうです。実際にカジノに日本人のお客さんがたくさん来たのでパラダイスシティ側も相当手応えはあったみたいです。
笹原 韓国人がまったくいなかったわけじゃないんですけど、日本のお客の方が多かったんです。今回のキャパは1500人くらいだったんですけど、カジノのお客さんだけでチケットはほとんど売れちゃったんですよ。
――韓国の格闘技ファンはチケットが買えなかったみたいで。
笹原 仮に一般発売してもカジノ客向けの金額設定が高すぎて、韓国の格闘技ファンは買えなかったと思いますよ。一番安くて5万円ですから。韓国の格闘技イベントのチケットは数千円くらいなんですよ。
笹原 現地の韓国人ファイターから手売りの問い合わせがあったんですけど、まあ「高すぎる」っていう反応でした。韓国の格闘技ファンは現地向けの無料配信で見てたと思います。
――韓国ではPPVで格闘技を見る習慣はまだないですもんね。
笹原 なので日本でやっているいつものRIZINとは興行の立て付けがまったく違ったんです。
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コメント
コメントを書く笹原さんがちょいちょいぶっ込んでくるプロレスネタがあいかわらず面白いw
はあ、今回も最高。
笹原さんとジャンさんの掛け合い、おもろすぎ‼️