「罪と罰」
オーストラリアの山火事で現場を生息地とする野生のコアラ 1100 匹をヘリコプターから射殺したというニュースに胸が痛む。
無用な苦痛を和らげる為の「安楽死」と実施した州当局は説明。決定に至るまでのプロセスを想像する。
きっかけのひとつに前回の山火事で火だるまになったコアラの映像が世界中に拡散されたことがあるのかもしれない。火傷を負ったコアラを抱き抱える職員の向こうに焼け死んでいくコアラが映っていた。助けられる命と助けられない命。山火事を起こしたのは彼らではないのに現場の職員には批判が殺到した。だが、それ以上に苦しみながら死んでいく様子を現場で見ているのは辛かっただろう。今回の実施にしても全会一致というわけにはいかなかったと思う。当局と現場には温度差も意見の食い違いもあったのではないだろうか。安楽死を主張したのがどちらかはわからない。それでも関わった職員たちの心には大きな傷が残ったはずだ。決定に従いヘリコプターの中で引き金をひいた職員たちはそれ以上に苦しんでいるだろう。
山火事の原因は気候変動による乾燥と高温。環境を変えてしまった要因にはわたしたちの文明がある。...