• このエントリーをはてなブックマークに追加

草の根広告社

ブログ・メルマガ

  • 「年を取ると誰かの話を聞くより自分のことを話す方が多くなる」

     毎日のように誰かを取材している。対面で話を聞くこともあれば、オンラインのこともある。取材という名目があるおかげで会いたい人に会える。入れない場所に入ることもできる。新しい人や知らなかった世界との出会いが減っていた中でとても学びのあるインプットになっている。    耕作放棄地を再生して世界で賞賛されるものを開発した人。家庭から出るゴミの量を減らす為の施策に取り組んでいる人。地球を覆い尽くそうとしているブラスチックごみのせいで悪者になっているブラスチックを好きになって貰うために再生化に取り組むブラスチックを愛している人。どうすれば自然エネルギーが広がっていくかの研究をしている人。担い手が減っていく農村で米作りを持続可能なものにするためにがんばっている人。限りある水産資源を守るためにわからないことだらけの海洋研究に勤しんでいる人。    今週だけでもこれだけの人に話を聞かせて頂いた。すべては近いうちに様々な媒体で記事にする。ひとり一人の「想い」をインプットし、より多くの人にアウトプットするのがぼくの役目だ。そこには取材者対象者とぼく自身が共感し合った「未来が少しでも良いものに...

    22時間前

    • 0 コメント
  • 「罪と罰」

     オーストラリアの山火事で現場を生息地とする野生のコアラ 1100 匹をヘリコプターから射殺したというニュースに胸が痛む。    無用な苦痛を和らげる為の「安楽死」と実施した州当局は説明。決定に至るまでのプロセスを想像する。  きっかけのひとつに前回の山火事で火だるまになったコアラの映像が世界中に拡散されたことがあるのかもしれない。火傷を負ったコアラを抱き抱える職員の向こうに焼け死んでいくコアラが映っていた。助けられる命と助けられない命。山火事を起こしたのは彼らではないのに現場の職員には批判が殺到した。だが、それ以上に苦しみながら死んでいく様子を現場で見ているのは辛かっただろう。今回の実施にしても全会一致というわけにはいかなかったと思う。当局と現場には温度差も意見の食い違いもあったのではないだろうか。安楽死を主張したのがどちらかはわからない。それでも関わった職員たちの心には大きな傷が残ったはずだ。決定に従いヘリコプターの中で引き金をひいた職員たちはそれ以上に苦しんでいるだろう。  山火事の原因は気候変動による乾燥と高温。環境を変えてしまった要因にはわたしたちの文明がある。...

    4日前

    • 0 コメント
  • 「西海岸通り」

     日曜の午後、西海岸通りを家族三人でランニングした。自宅のある秋谷から葉山町と横須賀市の境にある長者ヶ崎までの往復 5 ㎞。ぼくが海辺の町で暮らし始めてから 15 年走り続けてきた短い方のランニングコースだ。妻とは年に何度か一緒に走ることはあったが娘とは初めてだ。 5 ㎞も走れるだろうかという心配もありつつ、ゆっくりと走り出す。    岩場の磯遊びで賑わう立石の海の煌めきと子どもたちの笑顔を横目に海岸通りを走る。いつもはバスで通り過ぎる停留所をひとつ、またひとつと過ぎるたびに同じ距離を自分の足で走ってきた自信が娘の顔に漲っていく。   1.5 ㎞過ぎたところにある久留和海岸で浜に降りて水分補給。小学校の同級生たちが砂浜でサッカーをしたり、竹で作った筏に乗ってたりして遊んでいるのに遭遇。このまま長者ヶ崎まで走るんだよ、と言うと同級生が「すげー」と目を丸くして驚いていた。  再び海岸通りに戻り、子産石を通過。長い海岸線が見えてきたところで娘は「疲れた」とダウン。妻とともに峯山の海岸に降りて休憩。ぼくはひとりになったところでペースを上げて海岸線を長者ヶ崎に進んでいく。ずっとこうやって...

    6日前

    • 0 コメント
  • 「渋谷は国際緑肥都市になるべきじゃないだろうか」

      100 年に一度と言われる東京渋谷駅周辺の再開発が 2027 年の完成から 7 年先送りされて 2034 年の完成になるという見直しが先日発表された。     2016 年に開局された渋谷のラジオでのボランティアパーソナリティーとして再開発を見守ってきたひとりとして残念な思いがあった。    工事計画の見直しとともに公開された完成予想図に緑がほとんど感じられなかったからだ。渋谷のラジオでの活動を通じて知り合った知人は「 URBAN FARMERS CLUB 」という特定非営利法人で都市農業を推進してきた。オフィスビルの屋上や地上での大型プランターによる稲作や野菜作りを渋谷区に本社を置く企業とともに勧めてきた。 「都市で暮らす人々にも採れたて新鮮な野菜を手にする権利がある」という思いを実現するためだ。しかしながら、その思いは今回発表された再開発情報にはまるで感じられなかった。  欧州の都市における緑被率は 26 %から 56 %。渋谷区は 23 %を目標にしているが現実はまだそれ以前だ。残念ながら国際都市を名乗るには値しない数値である。  世界経済のトレンドは「脱炭素」で進んでいる。「反脱炭素」を掲げたトランプ...

    2025-05-12

    • 0 コメント
  • 「空豆の夜」

     南房総の農家さんから空豆が届いた。空豆ほど旬の短い野菜をぼくは知らない。収穫まで半年掛かるのに収穫期は僅かしかない。しかも収穫後はすぐ食べないと美味しさが損なわれる。「空豆三日」と農家のおばあちゃんから聞いたこともある。  鞘を割るとふかふかのベッドの上で大粒の豆が 3 つから 4 つ眠っている。豆を乾燥や寒さから守るこの綿のふかふかさが豆の生育を左右しているという。毎年届けられるたびにベッドの良質さには感心させられる。ぼくが知っているだけで三代に渡って受け継がれている生育技術だ。長年家業として守られてきた土の力、水の力を感じる野菜のひとつでもある。  半分は鞘ごとグリルで焼いて粗塩で頂く。冷えたビールとの相性は抜群だ。これを毎年味わいたいというほどの空豆好きが高じて農家になった人ともお会いしたことがある。それくらい人を魅了する美味しさだという証拠でもある。焼きたての空豆を写真を撮るのも忘れ、家族三人とも夢中で食べた。  もう半分は鞘から出して調理する。今年は妻が空豆とホタルイカとアンチョビでパスタにした。空豆とホタルイカの相性の良さに驚いた。食感といい、ほろ苦さといい、...

    2025-05-09

    • 0 コメント
  • 「連休明けまでに」

    「連休明けまでにお願いします」  連休前に聞いたその言葉の数だけ連休明けに締め切りある。いつものことだ。ぼくのようなフリーランスは休み明けから動き出す人たちの為にみんなが休んでいるときに原稿を書く。休みに入る前に書いてしまえればみんなと同じように休めるのだけれど連休があるからと後回しにしてしまうせいでせっかくの連休が原稿執筆で埋め尽くされる。まあ、半分以上は自業自得だ。 30 年以上そういう生活が当たり前だったのだけれど、子どもがいるとちょっと切ない。  今日も妻と子どもは友達と一泊旅行に出掛けている。ぼくは眩しい海を見ながら原稿を書いている。せめて初夏の海を感じる音楽でも流したいところだけれど、こういうときに原稿と関連のある V 系バンドの曲を聴かなければならなかったりする。  午前中に一本書き終えて日課のランニングをする。一日おきに 10 ㎞が日課だったこともあるが、最近は毎日 5 ㎞が日課だ。超回復で眠気に襲われる 10 ㎞と違って 5 ㎞はちょうどいい。まだ走れるところで走るのをやめているので午後のパフォーマンスが上がる。と言っても打ち合わせなどの外出で走れないときもある。そういう...

    2025-05-07

    • 0 コメント
  • 「昨日のわたしへ」

     今朝、通学路のあちこちに子どもたちの登校を見守る保護者の姿があった。ぼくもそのひとりだった。いつもは行かないところまで子どもの背中を追い掛けていた。   「全てが嫌になった。数人の生徒をひき殺そうとした」と容疑者は供述していると報道されていた。キャスターやコメンテーターの誰もが「理解できない」とコメントしていた。  社会が理解しようとしないからこういう事件はなくならないのではないのかもしれないと感じた。  容疑者の父親がこうコメントしていた。 「メンタルの弱い子だと認識していました。お前、誰にも迷惑をかけない方法もあっただろう」  自殺すれば良かったじゃないか、と言っているようにわたしには聞こえた。  同じような言葉が社会のあちこちから聞こえてきていた。くわえて父親にまでそう言われたらそれは「全てが嫌になる」だろうと思った。   SDGs のスローガンのひとつに「誰一人取り残さない社会」というものがある。政治や行政、そしてマスコミもそれに習って同じ理想を掲げている。  ならば「理解できない」というコメントは一番言ってはいけないものなんじゃないだろうか。当然、共...

    2025-05-05

    • 0 コメント
  • 「献立は食材で決まる」

     佐島漁港に夕飯の魚を買い出しに行く。何が水揚げされているか行ってみるまでわからないのでメニューも決まっていない。    金目鯛て黒鯛が一匹 1000 円以下で並んでいた。が、家族三人で食べるにはやや小さめだ。 「高く売れる魚はぜんぶ築地に行っている」と地元でレストランを営んでいる方がいつか言っていた。漁港で売っているものが安いのはどれも型が小さかったり、鱗に傷が入っていたり、伊勢エビであれば髭が採れてしまっているからだ。  金目鯛と同じくらいの値段でイナダが並んでいた。大きさは黒鯛の倍くらいある。家族三人で半身食べられるかどうかの体躯だ。 「今夜はイナダ尽くしでどう?」と妻に LINE をする。 「お刺身。カルパッチョ。香草パン粉焼き。かま焼き」と想定メニューが送られてくる。   「それでも余るので翌朝にイナダの漬け丼で」  妻の OK を受けてイナダを一尾買う。 1000 円でお釣りがくる。  帰りに海辺の酒屋さんに寄る。日本酒か白ワインか迷いに迷った挙げ句、カルパッチョと香草パン粉焼きに重きを置いてスペイン産のシャルドネを一本買う。この辺りは別荘地でもあるので...

    2025-05-02

    • 0 コメント
  • 「なんでもない日曜日に」

     日曜の朝、コーヒーを淹れていたら海に行きたくなった。淹れたてをそのままポットに詰める。妻と娘とそれぞれデッキチェアを抱えてビーサンで浜辺に行った。フリスビーとトングも忘れない。    浜辺に坐って海を見ながら一杯目のコーヒーを飲んだ。鳶を警戒しながらフロランタンを食べた。アーモンドの甘味が口の中でブラックコーヒーに溶け合っていく。  ゴールデンウイークの初日だったが、特に予定を入れていなかった。空模様次第でこんな風に過ごす為だ。それこそが海辺で旅するように暮らしている醍醐味でもある。  コーヒーを飲み終えたら、フリスビーでひと汗掻く。時折り吹き抜けていく南風で巻き上げられてキャッチしようとした手元でホップしていくのも魔球みたいで楽しかった。  二杯目のコーヒーを飲む。娘は鳶を警戒しながら麦茶を飲んでラムネを食べている。初夏の陽射しが本当に心地良い。文庫本を持ってこなかったことを後悔した。  二杯目を飲み終えたら浜辺を歩きながらビーチクリーンをする。海藻が絡まった漁網。根掛かりしたものを切って捨てたと思しきテグス。相変わらず煙草の吸い殻が点在している。漁網は再資...

    2025-04-30

    • 0 コメント
  • 「Perfect days」

     アスファルトを掃く竹箒の音で目覚める。歯を磨く。髭を整える。顔を洗う。植物を霧吹きで湿らせる。作業服を着る。玄関に並べたフィルムカメラを始めとする貴重品を身につける。自販機で缶コーヒーを買う小銭をポケットに入れる。手入れの行き届いたシンプルな白いスニーカーを履く。いつも置き去りにされる腕時計がほとんど語られない平山の過去を静かに物語っている。    映画「 Perfect days 」で繰り返される主人公平山の朝のルーティーンだ。本作に準えてわたしが「ゼロにしたい」と考えている「毎日の通勤」を捉え直せば、そこには「内面の豊かさ」という物差しが加わってくる。  一見同じような繰り返しの日々の中に小さな発見があり、静かな感動がある。心揺さ振る人間ドラマがある。探究心を擽られるミステリーがあり、緊張感のあるサスペンスがあり、外的要因に振り回され汗を掻かさせる出来事もある。  毎日往復 4 時間バスと電車に揺られていた父の通勤というルーティンにもそんな豊かさが伴っていたのだろうか。思えば父は毎朝同じ時間のバスで出勤し、毎晩同じ時間のバスで帰宅していた。遅れることもなかったし、その逆もなかった...

    2025-04-28

    • 0 コメント

生放送

放送済みの番組はまだありません。

動画

動画が見つかりませんでした。

OSZAR »