

【宇宙は所有できるか?】地球外の法律を巡る諸問題:倫獄
さて、今日は地球を飛び出します。

こんにちは、倫獄です。
433 Eros──ロマンチックな名前の小惑星があります。
人類が初めて探査機を着陸させた地球近傍小惑星としても知られています。
この天体の土地を「自分のものだ」と登録した男がいました。
その名もグレゴリー・W・ネミッツ。
彼は、この小惑星「433 Eros」に、4億9200京ドル相当のプラチナが存在すると考えていたそうです。
彼はこの天体の所有を宣言しただけでなく、NASAの探査機が着陸した際には「駐車場No.29に無断駐車があった」として、20ドルの違反切符を送りつけました。
もちろん、NASAとアメリカ司法省はこれを一蹴しました。
「法的根拠なし(without legal merit)」
──ごもっともな対応です。
では、なぜ彼の主張は法的に成立しなかったのでしょうか。
宇宙を巡る法律を概観することで、真面目に検討してみましょう。
宇宙空間における土地の所有を巡っては、現在ふたつの国際条約が中心的な役割を果たしています。
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コメント
コメントを書くかこつです。
宇宙開拓とかSFのような架空話かと思ってましたが、民間企業ですら宇宙に飛び出していくニュースなど見ていると、意外にそれほど夢物語ではないのではと思えてきますね。
新天地が無法地帯にならないような取り決めも、かなり細かいところまで今のうちに整備しないとなのですかね。
何をもって《国》なのか。《国家》とは何か。
知っている気になって、根本がよくわかっていなかったです。
今回もありがとうございました。
火星のテラフォーミングとか月のヘリウム3とか、法律的な観点からみた実現可能性を考えるのもとても興味深そうですね。