cf5c31091c4f18376cd5b753973dbe4e8b74ce0f.jpg

石月 努 HP​

約2年半ぶりの石月 努のオリジナルSOLOアルバム「HUMARIUM」は、「人」を1つのテーマとした今のリアリティが詰まったアルバム!
この渾身の13曲を長い1曲として聴くと全てを通した石月 努の「HUMARIUM」を絶対に感じる事が出来る作品になった!​


■約2年半ぶりのオリジナルSOLOアルバム「HUMARIUM」。まずはこのタイトルの意味を聞いてみたいです。

石月:色々右往曲折ありますが、ソロ活動を始めて13年目。割と毎年コンスタントに作品を出していたら、気が付いたらソロで発表した曲達がもう240曲ぐらいになりました。今回時間が空いた理由の1つとして、FANTASTIC◇CIRCUSで一緒にやっているSHUN.の病気や、一昨年の年末に父親が他界したりとかで、気持ち的に制作に取り掛かれなかった現状もあった時に、今まで死生観とかそういうものに関してはテーマにはして来ましたが、一番の師匠と呼べるべき父親の死や、敬愛していたアーティストの他界がリアルに感じて、亡くなった人達の気持ちや、どんな生涯を送ったのだろうとか、人間って何だろうって思った事で作るにきっかけになりました。

これまでメロディが降ってきた時にボイスメモを録ったり、気になる言葉やフレーズは常にメモを取ったり、それは日常的な癖でやっているのですが、そのワンワードを集めた時にHUMARIUMという言葉に出て来て、人間を俯瞰で見てみると、結局それぞれ違いはあるにしろ、集団行動だったり、ルールに縛られたりする中で生きている訳で、例えばアクアリウムで泳いでいる魚達とシンプルにいうと何も変わらないと思うんですよね。

今回、とある主人公をイメージして、その主人公が時間軸は様々代わりながらも、頭のオープニングから、最後の曲の「それは君でした。」で完結する1つの魂というか、見えない箱の中から人生を色んな角度で見ている作品になっています。


■今回のアルバムはコンセプトアルバムと言っていいほどの今の時代を移している作品になっているとお聞きしていますが、まさにそういう所ですよね!

石月:制作が終わったら僕の元からは離れて、聞き手やリスナーさんのものになると思っているので、説明するのは違和感はあるんですが、1人でも多くの方に文字でも思いだけは伝わってくれたらと思うんですよね。先入観を持つ事は決して悪い事ではないし、感じかたは人それぞれで、歌詞だけ読むとヘビーな事を言っていますが、自分と照らし合わせて聴く事も出来ますし、この世から消えてしまった魂を思いながら聴く事も出来ます。

これを言ったらHUMARIUMそのものなんですが、国によって決められたルールの中、人でありたい定義、でも人が人では無くなる瞬間ってあれは何だろうとか、倫理観とか、正義の定義って何だろうとか。愛も暴力も存在する社会で、それは結局人間でいたいから囲まれた透明のケースの中から出る事は出来ないけど、全員頑張って生きている。最終的にはそんな事を伝えたいメッセージは込めています。


■タイトル曲の「HUMARIUM」ですが、アコギから始まる歌ものの曲です。歌詞がガツンと耳に残るこの曲ですが、この曲について聞いてみたいです。

石月:1曲目のオープニングのファンファーレが凄い大事で、その後一番薄いオケで「HUMARIUM」の世界観が一気に来る所、そこは大分拘った所なんです。テーマや詞は、先ほどお話しをした法律とかの中で我々は生きている訳で、人の道を外れる事も人によってはあるけど、分かっているけど口にしない事って多分沢山あって、今回のこの曲はあえてそこを言葉にしようと思って作りました。自分が人であるかどうか、哺乳類の人は人なのか。

昨今でいうと日本は少し遅れてはいますが、諸外国ではLGBTみたいな性別は男と女の2つだけ無いのを容認している国もありますが、今は血液型や性別、年齢とかで私たちは決められている訳で、果たしてそれ全部踏まえて自分が人間なのかみたいな所に深くダイブした所、放送禁止用語を言っている訳ではないけど最後の一節の「僕は僕の愛する人を殺した人を殺したいと思うから。法には従わずに。」これが全てだと思います。実際そういう事があった訳では勿論ありませんが。


■それはそうですよね!もしあったら多分捕まっていますもんね!(一同笑)

石月:この思想を持っている僕は人ではないのかとかを考えている全てがHUMARIUMだと思うんです。


■ここから何曲かPICK UPして聞いてみたいのですが、M-5の「時間が明日を連れて来るんじゃない。」ですが、POPなナンバーですね。そんな中、自身の病にまつわる話も歌詞に出てきますよね?

石月:この曲は時計に人間が支配されているというテーマがあって、24時間の概念も人が作ったものですが、ただ動物にはその概念って無いんですよね。日が沈めば明日がやってくるだけですから。自分の未来とか、明日ライブがありますとか、好きな人に会えますとかでもいいのですが、それは自分がそこに向かうアクションをしないとそこには行けなくて、何も考えないでも明日がやってくるというイメージは人間が勝手に作った概念で、そういう所では生きてほしくないというメッセージを込めています。


■M-6の「▶︎つづきからはじめる」は、哀愁漂うグッドメロディの曲ですね。まさにタイトル通り、今の石月さんを写した歌詞になっていますよね?

石月:言葉遊びも含めてですが、世代の方は、このタイトルに矢印(▶︎)が付いている辺りで分かってくれるかと思うんですが、ロールプレイングゲーム(以下、RPG)って、子供の頃のようにのめり込む事がなくなってしまって、その理由を考えた時に、毎日の生活がRPGをしていると思ったんですよね。大人になって社会に出て、死んだって思う出来事がありながら寝る事もあるでしょうし、宿屋で良い朝だって起きる日もあるでしょうし、子供の頃からの経験して来た事を積み重ねて行って、対象物は違うとは思いますが、ラスボス的なものに向かって戦わないといけない自分自身だと思ったんです。


■歌詞にも出て来ますが、今Lv.50ぐらいなんですね?

石月:正確にいうとLv.●●なんですが、某RPGだと、これぐらいのLvで、ラスボス手前ぐらいのイメージなので、この現実世界でリアルに何度も殺されて、痛い思いもしてここまで来て、何もない人生なんてない、毎日戦っている方へのエールであるんですが、これを何といえば正解何だろうという言い切れない所もこの作品の特徴でもあって、「sadness」という曲が入っているんですが、この曲は父親への鎮魂でもあるけど、だからこの曲はそういう風に聴いてくれではなくて、十分に感じてもらえるだろうという言葉のチョイスだったり、サウンドアレンジも意識して作ったのでそこも楽しんで聴いてみて下さい。


■そんな中、M-8「キスミー、キルミー」は、他の曲と違って、ヘヴィなナンバーですね。タイトルも強烈ですし、歌詞もぶつけに行った感じの曲ですよね?」

石月:殺したいほど好きじゃないんですよね。ここがポイントで、歌詞にもありますが、殺されたいほど好きなんですよね。先ほどのHUMARIUMで言っていた事の反対で、FANATIC◇CRISIS時代から常々言っているんですが、人もそうだし、このアルバムもそうなんですが、常に球体(スクエア)をイメージしていて、この面からだと見えるけど、こちらからの面では見えないみたいな、別の角度からの視点になっています。

8年前にとある出来事をきっかけに病を患ってしまい、今は上手く付き合っている状態ではありますが、その時代にこの考え方には至らなかったんですよね。その時代はアクティブで、常にマルチタスクに色んな事を走らせていて、10代の頃からそれが普通だったので、まさか病気になるなんて思わなかったんです。「sadness」の歌詞にもありますが、どうやったら人に迷惑をかけずに死ねるんだろうとかを毎日考えていました。勿論今はそんな事は思っていないですが、やはり忘れられてはいけない経験として、その辺もリアリティがある事しか歌ってないし、リアリティのある言葉をあえて今回は選んでいます。ビジュアル系特有のものに置き換えてという事はあえてしていません。


■そういう経験があったからこその今回の「HUMARIUM」の作品になったのが本当に分かります。

石月:経験こそがリアリティだと思っているので、このアルバムもそうですが、中途半端な作品にはさせたくなかったです。結果、短い曲が多いんですが、どうでもいいくだらない事を4分、5分じゃなくて、3分間の中に質量を高く詰め込んでいます。ただ意識した事はサラッと聴けます!(笑)ただその中に色んな仕掛けもあるんです。先程「キスミー、キルミー」の話にもありましたが、1曲目のオープニングのファンファーレが、この曲のサビ前にキーは違いますが入っていたりします。聴き込んでもらうと気付ける点は沢山ありますよ。

もう1つ「アカシックレコード」という曲がありますが、ポップに軽く歌っていますが、ぜひその意味を検索してもらって、どんな事を歌っているのかを理解してもらえると楽しいと思います。作品になって僕の手から離れはしましたが、分身である事は変わりはないので、その責任は特に今回はあると思っています。


■ラストの曲M-13「それは君でした。」は、最後の歌詞の一文「それが、「人」なのでしょう。」の一言で、このアルバムの最後の思いが綴られていると感じました。

石月:この曲で全てを物語っていると思うんですが、みんな必死に生きている中で、見えない壁がある事も分かっているんですよね。例えば政治にしても1人の力でどうこうなる訳でもないけど、それでも必死に毎日戦いながら生きている姿を、僕は透明な壁越しにその主人公を見ていました。そこから出る事ができなかったとしてもそれが「人」なんでしょうって事ですね。

このアルバムを最初から最後まで全部聴いて欲しいですね。アルバムという形はとっていますが、この13曲を長い1曲として聴いて欲しいと思っています。曲間から曲の繋ぎ方まで聴いて欲しいです。全てを通して「HUMARIUM」というものを感じていただけたらと思います。


■そしてこのアルバムのリリースにあたり「LIVE2025【HUMARIUM SYMPOSIUM FRIDAY】」が、横浜、浦和、青山の3カ所にて開催されます。

石月:タイトルのSYMPOSIUMは、アルバムの曲「原罪(SinPOSIUM)」には入っているんですがスペルが違うんですよね。ライブの方のSYMPOSIUMは討論会とかそういう意味があるんですが、僕が作品として、曲として、歌でその言葉を発した事に対して、「原罪(SinPOSIUM)」の曲の最後でも「どうなの?」と問いかけているんですが、どう感じたかを伝えあえる討論会。勿論、実際はそうではないライブではありますが、ファンも主人公として参加してもらえるSYMPOSIUMにしたいと思います。


■Vijuttokeは名古屋の雑誌です。名古屋でのライブは無いんですね!残念です。実は自分は名古屋MUSIC FARMの代表もやっていたりします!

石月:勿論、名古屋MUSIC FARMは良く知っています!最初に名古屋進出したのもFARMですし、初めてワンマンしたのもFARMです。あの当時16歳だったので、凄い縦社会だったのを覚えています。今思い起こせばすごい世界でしたよ!リアルRPGでした。(笑)ただその初めてのワンマンですが、店内の飾り付けに拘りすぎて、真冬に2時間押しではじまったんですよね。お客さんの大クレームに、飾り付けで疲れすぎてライブも最悪でした。(笑)でも名古屋MUSIC FARMにも久しぶりに行きたいですね。


■それでは最後にアルバム「HUMARIUM」、石月さんにとってどんなアルバムになりましたか?

石月:今の時代を写している曲だと思うし、誰かのための人生ではない訳で、例えば100年後の未来を見る事は出来ないし、100年前の過去をも見る事は出来ないから、今この世界は誰かが操作したプログラムであったとしても、自分らしく、本当に必要な情報や、自分にとって必要なものは、それは自分が見極めるべきだと思います。だってそれが「人」だと思うから!

Powered by Vijuttoke


Vijuttoke INFORMATION

*月刊フリーペーパー「Vijuttoke」配布店舗一覧 http://vijuttoke.com/contents/about/distribution_all/
 
*Vijuttoke掲載インタビューを配信中!
・WEB【club Zy. 】https://www.club-zy.com/contents/free_paper
・ブロマガ【club Zy.チャンネル 】https://ch.nicovideo.jp/club-Zy/blomaga
≪25年5月号 配信LINE UP≫
5月22日(木)18:00 Crack6
5月23日(金)18:00 石月 努 / inguShA
5月26日(月)18:00 DEXCORE / DIFFERENT:ACCOUNT
5月27日(火)18:00 machine

Artist INFORMATION

TSUTOMU ISHIZUKI/【HUMARIUM】

2025年4月30日発売
【収録曲目】
01.ファンファーレ (opening)
02. HUMARIUM
03. BOOM BOOM BOOM (ReMASTER Ver.) 
04. sadness (ALBUM Ver.)
05. 時間が明日を連れて来るんじゃない。 
06. ▶︎つづきからはじめる
07. アカシックレコード
08. キスミー、キルミー
09. シン・天国と地獄
10. 原罪 (SinPOSIUM)
11. 奇跡の住人ーReALIVEー (ALBUM Ver.) 
12. キタルファ
13. それは君でした。


【LIVE 情報】
TSUTOMU ISHIZUKI
LIVE2025【HUMARIUM SYMPOSIUM FRIDAY】
2025年6月13日(金) 横浜 7th AVENUE
2025年6月27日(金) 浦和 Narciss
2025年7月04日(金) 青山 Rizm
全日程共通:<DAY>13:30 開場/14:00 開演 
<NIGHT>19:00 開場/19:30 開演
¥7700(D別)